在職中に亡くなった方の遺族が受け取る一時金・年金と相続税

確定拠出年金・確定給付企業年金・国民年金基金・企業年金・従業員組合の共済金の課税関係を制度別に整理
2026年7月時点の法令・国税庁公表資料に基づく一般的な解説

全体の見取り図:課税関係は4パターンに分かれる

お勤めの方が在職中に亡くなった場合、遺族が受け取る一時金・年金の課税関係は、次の4つのいずれかに整理されると考えられます。どれに当たるかは「どの制度からの給付か」「亡くなった時点で受給開始前か受給中か」「支給がいつ確定したか」で決まり、遺族が選ぶ受け取り方(一時金か年金か)そのものは、課税対象になるかどうかを原則として左右しません。

A みなし相続財産

相続税の課税対象。退職手当金等(相続税法3条1項2号)なら500万円×法定相続人数の非課税枠あり。受給中死亡の継続受給(同項6号)は非課税枠なし。

B 法律上の非課税

公課禁止規定により相続税・所得税とも課税されない。国民年金基金の遺族一時金、厚生年金基金の死亡一時金、遺族基礎年金・遺族厚生年金など。

C 遺族の一時所得

相続税の対象外で、受け取った遺族の所得税(一時所得)。死亡後3年経過後に支給確定した退職手当金等、未支給年金、雇用主が関与しない組合共済金など。

D 本来の相続財産

未受領給与や死亡後確定の賞与、確定拠出年金の5年経過後など。遺産分割の対象となり、500万円の非課税枠はない。

このページでは、非課税枠のうち「退職手当金等の非課税(500万円×法定相続人数)」を退職金枠、「生命保険金の非課税(同額)」を生保枠と表記します。いずれも相続人が取得した分にのみ適用されます(相続税法12条1項)。

制度別 早見表

主な給付ごとの課税関係の一覧です。詳細は後述の制度別解説をご覧ください。

制度・給付受け取り方時期・条件相続税の扱い非課税枠遺族の所得税
確定拠出年金(企業型DC・iDeCo)の死亡一時金一時金のみ死亡後3年以内に支給確定みなし相続財産(退職手当金等)退職金枠あり非課税
3年経過後に支給確定課税対象外一時所得
5年間請求なし本来の相続財産枠なし
確定給付企業年金(DB)の遺族給付金一時金・年金とも受給開始前(在職中)の死亡みなし相続財産(退職手当金等)退職金枠あり非課税
年金・一時金とも老齢給付金の受給中の死亡(残存保証期間分の継続受給)みなし相続財産(6号・定期金)枠なし非課税
国民年金基金の遺族一時金一時金のみ受給開始前・保証期間中とも非課税(公課禁止)非課税
厚生年金基金の死亡一時金一時金非課税(公課禁止)非課税
企業年金連合会の死亡一時金一時金死亡後3年以内に支給確定みなし相続財産(退職手当金等)退職金枠あり非課税
中退共・特定退職金共済の遺族退職金一時金(特退共は年金も)死亡後3年以内に支給確定みなし相続財産(退職手当金等)退職金枠あり非課税
会社の死亡退職金・自社年金一時金・年金とも在職中の死亡(3年以内に支給確定)みなし相続財産(退職手当金等)退職金枠あり非課税
継続受給退職年金の受給中の死亡みなし相続財産(6号・定期金)枠なし非課税
従業員組合・共済会の死亡共済金(雇用主の関与なし)一時金課税対象外の可能性が高い一時所得
共済会経由の死亡退職金型給付(雇用主が掛金拠出)一時金死亡後3年以内に支給確定みなし相続財産(退職手当金等)の可能性退職金枠あり非課税
全労済・県民共済等の制度共済の死亡共済金(本人が掛金負担)一時金みなし相続財産(生命保険金)生保枠あり非課税
遺族基礎年金・遺族厚生年金年金非課税(公課禁止)非課税
未支給年金(本人の未受領分)一時金課税対象外(遺族固有の権利)一時所得
未受領給与・死亡後確定の賞与本来の相続財産枠なし非課税

結論を分ける3つの分岐

分岐1 受け取り時期:受給開始前の死亡か、受給中の死亡か

受給開始前(在職中)の死亡による給付は退職手当金等相続税法3条1項2号となり、相続人が取得した分に500万円×法定相続人数の非課税枠が使えます。これに対し、退職年金を受給中に死亡し、遺族が残存期間分の年金を継続して受け取ることになった場合(これに代わる一時金を受ける場合を含む)は、契約に基づかない定期金に関する権利相続税法3条1項6号相続税法基本通達3-29・3-46として課税され、退職手当金等ではないため500万円の非課税枠は適用されないと考えられます。同じ制度からの給付でも、亡くなった時期により非課税枠の有無が変わる点が、実務上最も重要な分岐です。

分岐2 支給確定の時期:死亡後3年以内か

退職手当金等としてみなし相続財産になるのは、死亡後3年以内に支給が確定したものに限られます相続税法3条1項2号。支給額が3年以内に確定していれば、実際の支払が後になっても該当します相続税法基本通達3-30。3年経過後に支給が確定したものは相続税の対象とならず、受け取った遺族の一時所得として所得税の課税対象になります所得税基本通達34-2

分岐3 受け取り方(一時金か年金か):課税対象かどうかは変わらない

退職手当金等を年金(定期金)形式で受け取る場合も、退職手当金等として相続税の課税対象となり、非課税枠の適用があると考えられます相続税法基本通達3-47。受け取り方で変わるのは、評価方法(年金形式は年金受給権として相続税法24条により評価)と、その後の所得税の扱いです。相続税の課税対象になった一時金には所得税が課されず所得税法9条1項17号所得税基本通達9-17、遺族が毎年受け取る年金も、亡くなった方の勤務に基づいて支給されるものは所得税非課税とされています所得税法9条1項3号ロ所得税基本通達9-2タックスアンサーNo.1605

制度別解説1 確定拠出年金(企業型DC・iDeCo)

結論

遺族が受け取るのは死亡一時金のみで、年金形式の遺族給付は制度上ありません。死亡後3年以内に支給が確定すれば退職手当金等としてみなし相続財産(退職金枠あり)、3年経過後の支給確定なら遺族の一時所得、5年間請求がなければ本来の相続財産(枠なし)と、請求時期によって課税関係が変わる点が最大の特徴です。

確定拠出年金の給付は老齢給付金・障害給付金・死亡一時金の3種類で確定拠出年金法28条、死亡を事由とする給付は死亡一時金だけです。企業型の給付の規定は個人型(iDeCo)に準用されるため確定拠出年金法73条、企業型とiDeCoで課税関係に違いはありません。死亡一時金は、生前に受取人指定があればその方、なければ法定の順位(配偶者、生計維持されていた子・父母など)で支給されます確定拠出年金法41条

死亡後3年以内に支給が確定した場合

退職手当金等としてみなし相続財産となり相続税法3条1項2号相続税法施行令1条の3第7号、相続人が取得した分には500万円×法定相続人数の非課税枠が適用されます。適用されるのは生命保険金の非課税ではなく退職手当金等の非課税の側です。会社からの死亡退職金と死亡一時金の両方がある場合は、合算して1つの非課税限度額を適用します。相続税の対象となるため、遺族に所得税は課されません所得税法9条1項17号

3年経過後・5年経過後

死亡後3年経過後に裁定請求して支給が確定した場合は、みなし相続財産に該当せず、受け取った遺族の一時所得になると考えられます所得税基本通達34-2。さらに死亡後5年間裁定請求がないときは、死亡一時金を受け取る遺族はないものとみなされ、個人別管理資産に相当する金銭が亡くなった方の相続財産とみなされます確定拠出年金法41条4項・5項。この場合は本来の相続財産として課税され、退職金枠の適用はないと考えられます。

年金受給中に死亡した場合

老齢給付金の受給権は死亡により消滅し確定拠出年金法36条1号、遺族が年金を引き継ぐ仕組みはありません。残余の個人別管理資産は死亡一時金として遺族に支給され、課税関係は受給開始前の死亡と同じです。受給開始の前後による本質的な違いは生じません。

注意

裁定請求の時期で課税区分が変わるため、相続税申告の実務では死亡一時金の請求と支給確定の時期の管理が重要になります。

制度別解説2 確定給付企業年金(DB)

結論

受給開始前(在職中)の死亡による遺族給付金は、一時金でも年金でも退職手当金等としてみなし相続財産となり、退職金枠が使えます。老齢給付金の受給中に死亡し遺族が残存保証期間分を受け取る場合は、6号の定期金に関する権利となり非課税枠は使えません。亡くなった時期で非課税枠の有無が変わる点が最重要ポイントです。

遺族給付金は規約に定めがある場合に支給される給付で、規約の定めにより年金または一時金として支給されます確定給付企業年金法29条2項・47条から49条。受給者は規約で定める遺族(事実婚の配偶者を含み得る)で、遺族固有の権利として取得するため、本来の相続財産(遺産分割の対象)にはなりません。

受給開始前(在職中)の死亡

遺族給付金は一時金形式・年金形式とも退職手当金等としてみなし相続財産となります相続税法3条1項2号相続税法施行令1条の3第4号。年金形式で受ける場合も、定期金またはこれに準ずる方法で支給される退職手当金等として2号のまま課税されるため相続税法基本通達3-47、退職金枠の適用があると考えられます。年金形式の場合の年金受給権は相続税法24条(解約返戻金相当額・一時金相当額・予定利率による複利年金現価のうち最も多い金額)で評価します。遺族が毎年受け取る年金は、亡くなった方の勤務に基づく遺族年金として所得税非課税です所得税法9条1項3号ロ所得税基本通達9-2タックスアンサーNo.1605

老齢給付金の受給中の死亡

保証期間付の年金を受給中に死亡し、遺族が残存保証期間分の年金またはこれに代わる一時金を受ける場合は、契約に基づかない定期金に関する権利としてみなし相続財産となります相続税法3条1項6号相続税法基本通達3-29・3-46タックスアンサーNo.4123。退職手当金等には該当しないため退職金枠は使えず、生命保険金でもないため生保枠も使えません。評価は相続税法24条により、毎年の年金の所得税は非課税です所得税法9条1項3号ロ

制度別解説3 国民年金基金

結論

遺族一時金は相続税も所得税も課税されないと考えられます。受給開始前の死亡でも保証期間中の死亡でも結論は変わらず、500万円の非課税枠を消費することもありません。同じ死亡一時金でもiDeCoは相続税課税、国民年金基金は非課税と正反対になります。

国民年金基金の遺族への給付は一時金のみで、年金形式はありません国民年金法128条1項。遺族一時金には、租税その他の公課を課することができないとする公課禁止規定が準用されるため国民年金法25条・133条、相続税・所得税とも課税されないと整理されます。退職手当金等の政令列挙(相続税法施行令1条の3)にも国民年金基金の一時金は含まれていません。中途脱退者等に国民年金基金連合会から支給される一時金も同様です国民年金法137条の21

なお、会社員(第2号被保険者)は国民年金基金の加入員資格を失うため国民年金法127条3項1号、在職中の会社員の死亡で実際に問題になるのは、過去に自営業等(第1号被保険者)だった期間に加入していた元加入員としての遺族一時金です。保証期間のない終身年金(B型)のみの受給中の死亡では遺族一時金が支給されない場合があるなど、支給の細目は各基金の規約によります。

対比

公課禁止規定の有無と政令列挙の有無により、iDeCoの死亡一時金(課税・退職金枠あり)と国民年金基金の遺族一時金(非課税)で結論が正反対になります。混同しやすい重要ポイントです。

制度別解説4 その他の企業年金(厚生年金基金・企業年金連合会・中退共など)

結論

厚生年金基金の死亡一時金は非課税、企業年金連合会・中退共・特定退職金共済・小規模企業共済からの死亡給付は退職手当金等(退職金枠あり)です。同じ企業年金の世界でも支給主体によって結論が分かれます。

厚生年金基金(存続厚生年金基金)

基金が支給する死亡一時金は、厚生年金保険法側の非課税規定(公課禁止)により、みなし相続財産にならず相続税は課税されません(国税庁質疑応答事例「厚生年金基金が支給する死亡一時金に係る退職手当金等受給者別支払調書の提出義務」)。国から支給される遺族厚生年金・遺族基礎年金も非課税です厚生年金保険法41条2項国民年金法25条。亡くなった方本人が受け取るはずだった未支給年金は、遺族固有の権利として相続税の対象にならず、遺族の一時所得となります(国税庁質疑応答事例「未支給の国民年金に係る相続税の課税関係」所得税基本通達34-2)。

企業年金連合会

中途脱退や制度終了で年金原資が企業年金連合会に移換されていた場合に遺族が受ける死亡一時金は、退職手当金等としてみなし相続財産となり相続税法施行令1条の3第5号・6号、退職金枠の適用があると考えられます。厚生年金基金本体からの死亡一時金が非課税であるのと扱いが異なる点に注意が必要です。

中退共・特定退職金共済・小規模企業共済

中小企業退職金共済(中退共)から遺族に支給される退職金、特定退職金共済団体からの遺族一時金・遺族年金は、退職手当金等としてみなし相続財産となり相続税法施行令1条の3第9号、退職金枠の適用があります。小規模企業共済の死亡による共済金も同様です相続税法施行令1条の3第10号

会社の死亡退職金・自社年金

退職給与規程等に基づく死亡退職金・功労金は退職手当金等の基本形です相続税法3条1項2号相続税法基本通達3-18・3-19。自社年金として年金形式で支給しても退職手当金等のまま課税されます相続税法基本通達3-47。退職後に自社年金を受給中に死亡し、遺族が継続受給する場合は6号の定期金に関する権利となり、非課税枠はありません相続税法基本通達3-29

制度別解説5 従業員組合・共済会からの死亡共済金

結論

雇用主が関与しない従業員組合・労働組合の死亡共済金は、相続税の課税対象外(遺族の一時所得)となる可能性が高いと考えられます。雇用主が掛金を拠出する共済会経由の死亡退職金型給付は退職手当金等(退職金枠あり)、全労済・県民共済等の制度共済はみなし生命保険金(生保枠あり)と、支給主体と掛金の負担関係で結論が分かれます。

雇用主が関与しない組合・共済会の死亡共済金

組合員の会費・掛金のみで運営される労働組合・従業員組合・互助会からの死亡共済金は、みなし生命保険金の対象となる共済契約の政令列挙相続税法施行令1条の2に該当せず、雇用関係に基づく給与でもないため退職手当金等にも該当せず、相続税の課税対象外となる可能性が高いと考えられます。この場合、受け取った遺族の一時所得として所得税の課税対象になります所得税基本通達34-1(5)(東京国税局文書回答事例「認可特定保険業者が行う特定保険業の給付金等に係る課税上の取扱いについて」が同様の整理を示しています)。一時所得には特別控除50万円と2分の1課税の仕組みがあるため、少額の共済金では実際の税負担が生じないことも多いと考えられます。

雇用主が掛金を拠出する共済会経由の給付

雇用主が福利厚生団体に掛金を納付し、その団体が従業員の退職(死亡退職を含む)について退職手当金等を支給することを約した契約に基づく給付は、退職手当金等に該当する可能性が高く相続税法施行令1条の3第9号相続税法基本通達3-27、その場合は退職金枠の適用があります。共済会の実態(誰が掛金を負担し、どんな規程に基づくか)で判定が変わります。

制度共済(全労済・県民共済など)の死亡共済金

労働組合経由で加入していても、全労済(こくみん共済coop)や県民共済など消費生活協同組合連合会等の制度共済の死亡共済金は、政令列挙に含まれる共済契約相続税法施行令1条の2第1項3号に基づくものであるため、亡くなった方が掛金を負担していた部分はみなし生命保険金として相続税の課税対象となり相続税法3条1項1号、生保枠(500万円×法定相続人数)の適用があります。

弔慰金・香典の取扱い

雇用主等から受ける弔慰金・花輪代・葬祭料等は、実質的に退職手当金等に当たる部分を除き、業務上の死亡のときは死亡当時の普通給与(賞与を除く)の3年分、業務上の死亡でないときは半年分に相当する金額まで弔慰金として相続税の課税対象にならず、超える部分が退職手当金等として扱われます相続税法基本通達3-20タックスアンサーNo.4120

労働組合・共済会など雇用主以外からの弔慰金は、この形式基準の直接の対象ではなく、社会通念上相当と認められる範囲のものは所得税非課税所得税基本通達9-23、個人からの香典で社会通念上相当なものは贈与税非課税相続税法基本通達21の3-9とされ、相続税の課税対象にもならないと考えられます(国税庁質疑応答事例「贈与税の対象とならない弔慰金等」)。

非課税枠についての注意点

  • 退職金枠・生保枠とも、適用されるのは「相続人が取得した」分だけです。相続放棄をした方や、相続人以外の方(受取人指定を受けた相続人でない親族、規約上の受給権者である事実婚の配偶者など)が取得した場合には適用されません相続税法12条1項タックスアンサーNo.4117
  • 非課税限度額の計算に使う法定相続人の数には、相続放棄がなかったものとした場合の相続人の数を用います相続税法15条2項
  • 配偶者・一親等の血族以外の方(兄弟姉妹、代襲相続人でない孫など)が取得する場合は、相続税額の2割加算の対象になることがあります相続税法18条
  • 相続税法12条1項の号数は、2026年7月時点の現行条文では生命保険金の非課税が6号、退職手当金等の非課税が7号となっています(公益信託に関する法律の制定に伴う号の繰下げ。従来はそれぞれ5号・6号として引用されてきたもので、国税庁の通達・タックスアンサーには従来表記のまま残っているものがあります)。

課税判定ツール

あてはまるものを順に選んでいくと、相続税の課税区分・非課税枠の有無・遺族の所得税の扱いと、その根拠・解説が表示されます。

このツールの位置づけ

一般的な取扱いに基づく簡易判定です。実際の判定は、各制度の規約の内容、支給主体、掛金の負担関係、支給確定時期の事実認定によって変わることがあります。最終判断は、③タブの根拠条文・通達の原文の確認を前提としてください。

主な根拠

  • 相続税法3条1項(1号 生命保険金等、2号 退職手当金等、5号 保証期間付定期金、6号 契約に基づかない定期金に関する権利)、12条1項(生命保険金・退職手当金等の非課税)、15条2項、18条、24条(定期金に関する権利の評価)
  • 相続税法施行令1条の2(生命保険契約・共済契約の範囲)、1条の3(退職手当金等に含まれる給付:4号 確定給付企業年金、5号・6号 企業年金連合会、7号 確定拠出年金、8号 適格退職年金等、9号 中退共・特定退職金共済、10号 小規模企業共済)
  • 相続税法基本通達3-18から3-25(退職手当金等の判定・弔慰金)、3-29から3-33(3年以内支給確定・退職年金の継続受給・本来の相続財産との区分)、3-45から3-47(定期金関係)、12-8から12-10(非課税規定)、21の3-9(社交上必要な贈与)、24-2(年金による支払の評価)
  • 所得税法9条1項3号ロ・17号(遺族年金・相続取得財産の非課税)、所得税基本通達9-2、9-17、9-23、34-1(5)、34-2
  • 確定拠出年金法28条・36条・40条・41条・73条、確定給付企業年金法29条・47条から50条、国民年金法25条・127条・128条・133条・137条の21、厚生年金保険法37条・41条2項
  • 国税庁タックスアンサーNo.1605「遺族の方に支給される公的年金等」、No.4117「相続税の課税対象になる死亡退職金」、No.4120「弔慰金を受け取ったときの取扱い」、No.4123「相続税等の課税対象になる年金受給権」
  • 国税庁質疑応答事例「厚生年金基金が支給する死亡一時金に係る退職手当金等受給者別支払調書の提出義務」「未支給の国民年金に係る相続税の課税関係」「贈与税の対象とならない弔慰金等」、東京国税局文書回答事例「認可特定保険業者が行う特定保険業の給付金等に係る課税上の取扱いについて」

重要条文・通達の要旨

被相続人の死亡により、相続人その他の者が、被相続人に支給されるべきであった退職手当金・功労金その他これらに準ずる給与(政令で定める給付を含む)で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものの支給を受けた場合は、その給与を相続または遺贈により取得したものとみなす。相続税法3条1項2号(退職手当金等)の要旨
被相続人の死亡により取得した定期金(これに係る一時金を含む)に関する権利で、契約に基づくもの以外のもの(恩給法の扶助料と、2号の退職手当金等に該当するものを除く)は、相続または遺贈により取得したものとみなす。退職年金を受けている方の死亡により遺族が年金を継続して受けることになった場合の受給権がこれに当たる。相続税法3条1項6号・相続税法基本通達3-29・3-46の要旨
定期金またはこれに準ずる方法で支給される退職手当金等は、6号ではなく2号の退職手当金等として課税される。このため在職中の死亡による死亡退職金・遺族給付金は、年金形式で受け取っても退職手当金等のまま(非課税枠あり)となる。相続税法基本通達3-47の要旨
「死亡後3年以内に支給が確定したもの」とは、支給額が死亡後3年以内に確定したものをいい、実際の支払時期は問わない。支給されることは確定していても額が確定しないものは含まれない。相続税法基本通達3-30の要旨
相続人が取得した3条1項1号の生命保険金、同項2号の退職手当金等は、それぞれ500万円×法定相続人の数までが非課税となる。対象は相続人が取得した分に限られ、相続放棄者・相続人以外の受給者には適用されない。現行条文では生命保険金の非課税が6号、退職手当金等の非課税が7号(従来の5号・6号から繰下げ)。相続税法12条1項の要旨
年金形式で受ける場合の年金受給権は、解約返戻金の金額、一時金で受けられる場合の一時金の金額、予定利率による複利年金現価の金額のうち、いずれか多い金額により評価する。契約に基づかない定期金(6号)にも準用される。相続税法24条(定期金に関する権利の評価)の要旨
雇用主等から受ける弔慰金・花輪代・葬祭料等は、実質退職手当金等に当たる部分を除き、業務上の死亡なら賞与以外の普通給与の3年分、業務上の死亡でないなら半年分に相当する額まで弔慰金として扱い(相続税の課税対象外)、超える部分は退職手当金等として取り扱う。相続税法基本通達3-20の要旨
相続や遺贈により取得する財産(みなし取得を含む)には所得税を課さない(17号)。遺族の受ける恩給・年金で死亡した方の勤務に基づいて支給されるものも非課税(3号ロ)。確定給付企業年金の遺族年金のように相続税の課税対象となった年金でも、毎年受け取る年金には所得税が課されない。所得税法9条1項3号ロ・17号、所得税基本通達9-2、タックスアンサーNo.1605の要旨
死亡した方に係る退職手当金等で死亡後に支給期が到来するもののうち、相続税の課税価格計算の基礎に算入されないもの(死亡後3年経過後に支給が確定したものなど)は、支払を受ける遺族の一時所得となる。所得税基本通達9-17・34-2の要旨
租税その他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として課することができない。この公課禁止は国民年金基金・国民年金基金連合会が支給する一時金にも準用され、遺族一時金は相続税・所得税とも課税されない。遺族厚生年金にも同趣旨の規定がある。国民年金法25条・133条・137条の21、厚生年金保険法41条2項の要旨
確定拠出年金の死亡一時金について、遺族がないときは個人別管理資産額に相当する金銭は死亡した方の相続財産とみなされ、死亡後5年間裁定請求がないときは遺族はないものとみなしてこの規定が適用される。確定拠出年金法41条4項・5項の要旨

関係リンク集

法令(e-Gov法令検索)

国税庁(通達・タックスアンサー・質疑応答事例)

ご利用にあたって

本ページは、2026年7月時点の法令・通達・国税庁公表資料に基づく一般的な解説であり、特定の個別案件に関する税務助言ではありません。実際の課税関係は、各制度の規約の内容、支給主体、掛金の負担関係、支給確定の時期、受給者と被相続人の関係などにより異なる場合があります。個別の案件への適用にあたっては、必ず根拠条文・通達の原文と各制度の規約をご確認ください。